project水 第二章 ~そして出発へ~
2004年6月3日。田中さんは帰ってきた。そう。有給は最小に抑えた1.5日。2日目の午後から通常業務に戻った。
この録画してくる企画。ただ行くだけじゃ面白くない。我らが自らに課した『課題』があった。ホームビデオを回し、自らのたびの様子を編集しようというものだった。かなり『どうでしょう』っぽい企画だが、ノッていた。
6月7日。俺の出発日2日前。田中さんは自分で自分を撮影した『旅』のビデオを編集して持ってきた。やばい。これは、、、遊びじゃない。完成度は高かった。しっかりシナリオを考えていったらしい。すばらしいドラマ仕立てになっていた。
さらに大脇さんの第1回放送のビデオも届いた。もう、、、しくじれない。
そしてその日は訪れた。
2004年6月9日水曜日。5時起床。飛行機は7時40分発。AirDoだ。7時過ぎに羽田空港に到着。特にすることもなく、とりあえずビデオを回してみる。うわー。自分撮りするわけじゃないのに恥ずかしぃ。壁を背にしているのに、、、恥ずかしい。これ、旅をレポートできるのか。不安がよぎる。
9時。新千歳空港に降り立った。
旅に出る面々、それぞれにテーマを持っていた。田中さんがドラマ仕立てに、そしてこの俺の企画の跡に行く予定の前澤さんはウニを食う、など。俺は考えた。数年ぶりにヒッチハイクで札幌に行ってやろう。
新千歳空港からとりあえずは南千歳に向かう。地下通路。自分撮りをしながら歩く。人は少ない。だが、いる。これがことのほか恥ずかしい。
ビデオを回す習慣はない。だが、たとえば誰かがビデオを持ってきたりすると撮るのは率先してやる。映るのは極力嫌だ。でも撮るのは好きだ。そして声の出演だけなら大いにする。、、、藤村さんのようだがそういう性格なのだ。
だから。
ノリで、自分撮りをしてこよう、なんて企画しておいていざ歩き出したら、、、なんて情けないんだ。まして、こんなに人通りがまばらな新千歳空港の地下通路。札幌の地下街でなんか回すことは想像できない。でも、とにかくやらなきゃ。自分を撮りながら状況をしゃべる。
この映像を見返してみると、、、ナニ言ってんだかわかんねぇ。小声すぎ。