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悲しきかな。

先月のふもとっぱらから帰宅した日に1枚の葉書が届いた。
そのことを知ったのは翌日だったが、送り主は亀屋の女将さんで、内容は「廃業する」とのこと。

遡れば1997年ごろまで戻る。

当初の記憶が極めて曖昧ではあるが、1年間の浪人生活を終え、同じ予備校で1年間のともに闘った地元中学の仲間に連れられて来訪したのが一番最初だった。当時は当然はネットなどなかった時代で、おそらく旅行パンフにある宿付きのプラン。

私はついてきただけだったのだが、その時のおもてなしにえらく感動を覚えたことはハッキリ覚えている。

それまでも高校在学時からクラスのメンツでもシーズンが来るたびに幾度となく雪山バスツアーは行ってきたけど、大概の宿は可もなく不可もなくという感じ。メシは美味いでもなくまずいでもなく。

そんな感じだったもんだから、そんな感じだろうなと思って訪れた宿。

車も運転免許すら持っていない時代。移動はバスか新幹線がメインの時代。

亀屋は越後湯沢。越後湯沢は大宮からは割と近い。
近いもんだから、駅到着もリフトが動く前には余裕で到着する。ガツガツガッツリ滑りたい盛りの年齢だったから、やっぱり早く行ったと思う。

駅に到着した旨を電話(もちろん公衆電話から!)すると、オヤジさんの運転するハイエースがやってきて宿へ。

これまで幾度となく行った宿は、、、そもそもチェックインが15時だか16時からだからスキー場のロッカーに行ってくれ、もしくは乾燥室くらいは貸してやるという感じだった。もちろん、それが「普通」だったので、今回もきっとそうだろう、と思ったはず。

そしたら今日はまだ満室ではないからと部屋に通されて、、、なんかラッキー!
早く滑りに行きたいから、サクサクと着替えていると、、、、おにぎりとお新香とアツアツの味噌汁が出てきた。

ええっ??

というのが、最初の驚愕。その感情だけは今でも覚えている。
んで、夕食に出てくるご飯はお腹がめいいっぱいになるくらいの大量でうまくて。

極めつけは、帰り。
今日は夕方までこの部屋に荷物置いてもらっていいですよ、なんて言われて、めいいっぱい滑って同じ部屋で着替えていると、、、きな粉&あんこ餅&たくあんが出てきて、、、。

1泊2日なのに、45時間くらい居たっていう。。サービスもそうだけど、そこにつながる女将さんの暖かい対応がなによりも強く残った。これといって、オシャレなわけでもなく、ボイラーがいつも頑張りすぎて毎回熱くて、部屋に鍵はないし、、、。

なので、これは多くの人に知ってもらわないと、、、っていう感じでシゲをはじめ色々連れていって、、。、、。

そうしてこうして、かなり行く回数を重ねたわけだが。
おもてなしのクオリティは2回目も20年経っても変わらず。
だから通い続けたのだろうと思う。

そんな宿もついに終わりが。。。
手続きの問題があるので、今シーズンの「休業届」を提出して、形としては1年間の休業とのことだが、、、復活はないと。

寂しいねぇ。

ということで、その葉書のことを知った瞬間に、シゲと相談して挨拶訪問することに、というの今回の経緯。。
色々声をかけたけど、割と急だったこともあって結局、私とシゲとSKO氏で行った。
もう少し姫が大きくなって、スキーができるようになってからと、今まで子供らを連れていく機会を待っていたけど、もう最後なので連れていった。

10時半に上里SAで集合して、亀屋を通り過ぎて、魚沼の里というところでメシ。
米おかわり自由なので、めいいっぱい食った。

14時ちょい過ぎに亀屋へ。もちろん、事前にメンバーと時間とメシ食っていくからお気遣いなくと伝えてある。本当は泊めてほしいってお願いしたのだけど、やっぱり無理でごり押しも失礼なのでそれは断念。

どうぞ!

っていつもの玄関横の広間のふすまが開くと、、、茶菓子とケーキが。。。
いや、、、「お疲れ様でした!」の挨拶に勝手に押し掛けたのはこっちなんだけど。。。

今回は女将さんも交えて色々と話したいのに、なかなかこない。

も、、、もしや。。

大量のおこわがやってきた。
メシ食っていくって言ったのに、、、居ても立っても居られない性格だというのを最後の最後にもかかわらず失念していた。こういう女将さんだったね。。。

さすがに食べきれないので、でもせっかくなのですべて持ち帰ります!
と伝えると、、、出していただいたおこわとは別に、でっかい容器パンパンのおこわが登場。それぞれの家族用にと3つ分。そして、各家庭用にそれぞれ6kgのコメ、野沢菜。

我々がお持ちした手土産は、、、7人合同で1,350円のカステラのみ。。。

最後の最後までやられたわ。

いろいろ募る話で盛り上がり、2時間も過ぎたころ、そろそろお暇をと立とうとすると、

「まだ明るいわよ」

と。

やられっぱなしである。
女将さん、長い間お疲れさまでした!

もう泊まることはできないけど、また遊びにこようと強く誓った瞬間である。
シゲとこよっと。

ちなみに、これで個々一帯の民宿はすべて廃業したことになるらしい。
それもまた寂しいねぇ。