21日目。 入院8日目 手術日

diary

オペ日。6時起き。

7時半にオペ着に着替える。そして頭を剃りに行く。と、ツルツルになってベッドに戻ると、シゲがいた。当日まできてくれたのね。さんきゅう。8時。点滴開始。8時半。筋肉注射。9時前。ストレッチャー到着。たぶん9時すぎ。オペ室へ到着。

到着後。助手の人が「よろしくおねがいしまーす」。心電図、血圧計などを装着。酸素吸入開始。麻酔科医の先生から「今酸素。ゆっくり深呼吸して」。その1分後くらいに「今から薬行くからね」の後、記憶なし。

あっという間に起こされる(時間の経過を感じない)。経過時間は予定通りの3時間半(その場で聞いた)。オペ室。頭がガンガン痛い。吐き気もする。かなり意識朦朧としながらもいきなりピースサイン。あほか。というか。もう、精一杯の強がり。『えーかっこしー』ではないけど、ただでさえ情けない姿に弱気な発言やらしてもどうかなぁと思っていたので。

それと。やっぱり脳みそを開いたわけで「もしかしたら左側に痺れが出るかもしれない」とも言われていたから、まず動かした。それがピース。次に言葉。「言語には問題ないだから」とは言われていたけど、不安は不安。なのでいろいろ喋った。

そして先生。「予定通り終わったからね。腫瘍もとれたから」とビンに入った液体づけのオレが10年間共にした腫瘍を見せてくれた。その場で写真を撮らせてくださいとお願いし、笑われながら承諾された。

その後CT室に移動。輪切り撮影。そして今までいた病棟の、回復室というところに戻る。そこには家族とシゲがいた。まず、そこに運ばれてきてのひとこと目が「シゲ。。」だった。家族ショック。いや、これはシゲに託していたデジカメで今のオレの情けない姿と摘出した腫瘍を写真に収めてくれという意味だったのよ。うん。そしてしっかり収めてくれた。

グロい。直径3センチのピンポン球くらいの大きさだった。でかい。ありえないほどでかい。これが、オレの頭の中に10年以上もいたのか(先生談)。こええ。

徐々に意識がしっかりしてくると、体から何本か管が出ていることに気付く。気道と食堂にそれぞれ管。頭の傷から血を抜くための管。尿道から管。まず気道・食堂の管を抜かれる。若干苦しい。オエッって感じ。点滴の管。痛み止めの座薬と、吐き気止めの点滴開始。

頭はでかい傷があってそこから管も出ている。動かすと痛いし。なのであまり姿勢を変えないようにして寝ている。傷は右後頭部。だから左側を向いて寝ている。傷をケアするように首に力を入れているから、とにかく疲れる。

そして尿道カテーテル。これはいやだなぁ。。ものすごい違和感。自分の意志とは関係なく抜かれる尿。なので、術後まだ2時間しか経過していないにもかかわらず、撤去を要請。「自分でできるから」と。意外と意識もしっかりしているということで抜いてもらったが、これが痛い。たぶん、人生痛さランキングでもかなりの上位。ホントに痛かった。

まだ麻酔が抜けきれていないのでたまに落ちる。が、1時間くらいで起きる。痛くて。首が疲れて。そこから痛いのと戦いながら時間の経過をただひたすら待つ。これがつらい。ここから長かった。オペが終わり、回復室に戻ったのが13時くらいだから、そこから翌朝の7時くらいまでまず最初の地獄。痛いのとヒマなのとで。


<<後日追記>>
【剃毛(上)】
剃りたて。現時点でオペ1時間チョイ前。かなり緊張気味。そして、このあと、消毒をしました。エタノールをベタベタ塗りだくられました。剃刀負けがものすごく(多少血も滲んでいます)痛かった。
この時点で身内は誰も病院に到着しておらず、看護師さんに撮影をお願いしたところ笑われました。まぁ、笑うなよ。

【10年】
前日の説明ではどんな感じの手術になるかなどの説明を一通り受けた。最後になにか質問はないかと聞かれたのでこれほどの腫瘍がどれほどの年月をかけて大きくなったのかを訊ねてみた。

「んー10年。少なくとも10年、、以上。」
一族、絶句。あ、そんなに飼っていたんだ。

人生をやり直せるとしたら、少なくとも10年以上さかのぼらなきゃダメだな。絶対に。とか考えてみたり。
でも10年て、、、長いね。

【摘出した脳腫瘍(10年モノ)】
腫瘍の写真は本文にあるように親友であるシゲが撮影してくれました。写真を撮らせてくれというお願いを先生は本当に聞いていてくれて、シゲに撮らせてくれた、ということです。
で、シゲは脳神経外科のナースステーションに行って、周りの看護師たちの「なんだコイツ?」という目を気にしながら、3枚も撮影してくれました。3枚も。当然、俺はそのときには下の写真のようにグッタリしていたわけです。

そして術後、家族が主治医に呼ばれ、結果が報告されました。その場にシゲはいました。ええ、いたそうです。もう、家族ですね、こいつぁ。だから、ここの掲示板にハッキリ「手術は成功」って書いてくれたんですね。

手術直後の主治医の結果報告。
結構な手術で、普通は家族しか聞かないだろうし、家族だって「ちょっと外で待っていてね」とか言うんじゃないんですか?いいえ。ウチの母は、シゲに対しこう言い放ったそうです。

「あんたには聞く権利があるから入りなさい」

【手術直後】

痛々しい。
頭から管が出ています。いたそう。これ、邪魔だった。後は心電図の吸盤とか。手前のピンク色のトレイは緊急嘔吐用。出なかったけど。
 
 
 
 
 
 
【もうひとつの傷跡】
メインの傷跡の他に右コメカミに1針分の穴と左耳の上あたりにこれまた1針分くらいの傷がある。また、管が出ていた場所とは別で。
手術台で全身麻酔がかかった後、頭を開く。骨を開く。そのためにしっかり頭を固定する。固定する。万力みたいな装置で、頭をはさむ。それが、右のコメカミ、左の耳の上あたりに刺さる。しっかり固定するから、穴があく。そういうことらしい。

手術後、上写真のような格好でしばらく寝ることになった。
右写真は数日経過した後の写真(3~4日)。

だが、なぜか左側も痛い。その理由が、、、マンリキ(のようなもの)による頭の固定らしい、と。
センダ氏だなんてカタイ言い方はしないで、センちゃんですな。

【輸血】
輸血はしなかった。そのための血管造影検査。
前日の説明でも、それ以前の説明からも「もちろん準備はするけど、入れる予定はないからね」と先生は仰っていた。だが、「多少、出血してもいけると思ったら入れないからね、その場合結構つらいかもしれないけど、長い目で見たら多分、いいと思うから」とも仰っていた。

もちろん、「入れない方向」で同意。イヤだもんよ。最終手段でお願いします、と。

【尿道カテーテル】
全身麻酔、あるいは下半身麻酔など、要は垂れ流し状態になる場合に尿道に”管”を挿入する。
まぁ、噂には聞いていたけど、これを抜くのがホント今回、すべての出来事を通して何よりも一番痛かった。まぁ、ある意味、物理的にも精神的にも。これはもう一生イヤだ。足は絶対に怪我しちゃいけない。

でも、どっちかと言うと、触られたとか見られたとか言うのはどうでもよくて(減るもんじゃないし)、とにかく物理的に痛かった。

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Posted by yachi