diary

夜、寝室にて寝ようとしている時、ムクッと起き上がり、横に寝ている父ちゃんの髪の毛を激しく引っ張る。この行動は「起きてー」である。上半身を起こして「なになに?」と聞くが、聞く耳を持たず、父ちゃんの枕を小さい体をめいいっぱい使って持ち上げる。全身で抱えた父ちゃんの枕を母ちゃんの寝ている方に運び、母ちゃんの横に置く。すると、今度は母ちゃんを起こし、母ちゃんの枕をこれまた小さい体でよいしょっと持ち上げて運び出す。父ちゃんの枕のあった位置へ運ぶと、少しのズレのお気に召さない様子で微調整を、これまた小さい体でよいしょ、とする。

上体を起こしたまま、何を始めたのだろうとジッと様子を見ていた父ちゃんの元にスタコラとやってきて、髪の毛を掴んで、今度は下に引っ張る。これは「寝てー」である。

父ちゃんが母ちゃんの枕に着地したのを見届けると、今度はとりあえず置いてあった父ちゃんの枕を、よいしょと持ち上げ、母ちゃんの枕があった位置よりちょっとだけ父ちゃん寄りに設置する。「母ちゃん、寝てよしっ」と言わんばかりに髪の毛を引っ張り、母ちゃんを枕の端に着地させると、半分余った部分に自ら全身で着地する。

親の行動を見て学び、そして真似をすると思っていたが、この行動は明らかに真似ではない。枕を交換するなんてしないからね。何を思っての行動であるのかは分からないが、かなりの発想力、豊かな創造力。

天才か!

しかし、この枕交換の行動。実は何気にすごいことだと思う。何がすごいかというと「いったん一時領域に枕を置く」というところ。自分が配置したいと思った位置にすでに別のものが置かれていた場合の行動は、大人では当たり前だが、こんな幼児がそういう発想をすることがスゴイ。

天才だわ。

大人でも、似たようなことでもちょっと世界を変えると同じ発想ができない人も多い。

コーヒーが入ったマグと紅茶が入ったマグがあり、それぞれの中身だけを交換せよという課題があった場合、どのように考えるか。日常生活などの経験があれば、3つ目のマグカップを持ってきて、一時的に片方を入れる、という方法にたどり着くのは易い。まぁそんな3つ目の器があるとかないとかはナシにして。

ところが、ちょっと世界を変えて、プログラミングをやり始めた初心者がなかなか思いつかないことでもある。いわゆる経験が浅いプログラム幼児は、変数Aに10が、Bに20が入っているが、互いの中身を入れ替えろという問題に対して、変数Cという一時的なマグを用意すれば良いという発想に至らない。ごくごく個人的な経験からだけど、この手の質問は結構よく受ける。まぁそんなプログラムを実際に作るかということはナシにして。

日常生活の経験などまだまだ下地を作っている段階で、教えてもいないのに「いったん仮の場所に置いておこう」という発想。。。すごいなぁ、勝手にどんどん成長しちゃう。

夫婦で何を始めるのだろうかとジッと見守っていたが、その行動結果に、思わず顔を見合わせて「えっ?!」ってなっちゃったよ。まぁ今回の場合は液体じゃなくて、固体であり、マグも変数にも入っているものではないけどね。

 
そこは親の贔屓目なのです。